【出雲の地酒特集】出雲は日本酒発祥の地

出雲は日本酒発祥の地

出雲市は日本酒の発祥とされる地です。出雲神話や出雲国風土記には、出雲の地と日本酒の深い関連が残されています。「ヤマタノオロチ伝説」では、須佐能袁命(スサノオノミコト)が特別なお酒「八塩折(やしおり)の酒」を使って八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治しました。この酒は非常に度数が高く、大蛇を酔わせるほどのものであり、古くから高品質な酒造りの技術があったことが伺えます。さらに、出雲の「佐香神社」の「佐香」は「酒」の語源となる言葉であることからも、ここが日本酒発祥の地であると考えられています。日本酒造りの神様クスノカミを祀っており、約1300年の歴史があります。神社では年に一度酒造が許可されており、神職が杜氏をつとめ、御神酒(どぶろく)を醸します。そして、「万九千(まんくせん)神社」では、全国の神々が出雲に集まる神在月に、「直会(なおらい)と呼ばれる酒宴を開くとされています。神々はここで楽しい時間を過ごし、来年の再会を約束してそれぞれの地へ帰って行きます。

出雲の日本酒とその製法

出特有の酒文化の中心には、「出雲杜氏」という杜氏集団を中心に酒造りも独自の文化を歩んできました。島根の米を使い独自の味を持つ日本酒が受け継がれています。酒造りの現場を取り仕切る責任者を「杜氏(とうじ)」、杜氏のもとで酒造りに従事するその他の技術者を「蔵人(くらびと)」と呼びます。出雲杜氏の造る昔ながらの酒は酸度が高く、アミノ酸由来のうま味や甘味、渋み、苦味などがバランスよく混ざり合ったどっしりとした味わいが特徴の一つで、口に含むと複雑な味が広がります。濃い味付けの料理にも負けない力強さがあり、さしみ醤油などに使われる濃厚な再仕込み醤油ともよく合います。近年は造りの種類の多様化してきて、出雲杜氏の酒質を継承しつつ、口当たりのよいスッキリと端麗なタイプのお酒も造られています。

佐香神社(松尾神社)

佐香神社(松尾神社)は、日本最古の酒造りの歴史を持つ神社で、奈良時代にまで遡る歴史があります。この神社は主祭神として「クスノカミ」という酒造りの神様を祀っており、古代から全国の酒造りに携わる人々に信仰されてきました。その歴史は、奈良時代に編纂された「出雲国風土記」にも記録されており、この地で神々が集まり、長い間にわたって酒造りを行い、酒宴を開いたという伝説が残っています。このことから、出雲市の佐香神社は日本酒発祥の地と伝えられています。佐香神社は酒造免許を持っており、毎年10月13日には大祭が開催され、境内で醸した濁酒が奉納されます。参拝者はこの御神酒をいただくことができるそうです。佐香神社は日本の酒文化に深く関わり、酒造りにおける伝統と信仰の場所となっています。

住 〒699-0615
  島根県出雲市斐川町併川258
問 電話 0853-72-9412
FAX 0853-25-9413

万九千神社

万九千神社は、八百万の神々が酒を酌み交わす直会と旅立ちの場所です。全国から八百万の神々が出雲の国に集まるのは旧暦10月の「神在月」です。神々による神議は、出雲大社だけでなく、出雲地方に存在するいくつかの神社で行われます。各神社での滞在を終えた後、神々は最後に出雲市の万九千神社で直会(なおらい)と呼ばれる宴会を開催します。神々も、人々が打ち上げを楽しむように、ここで酒を交わし、楽しいひとときを過ごします。そして、翌年の再会を約束して、全国各地に旅立つのです。

住 〒691-0074
 島根県出雲市小境町108
問 電話 0853-67-0007

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